アダルトチルドレンと言う言葉を聞いた事がありますか?
自分の意見を上手く言えない
周囲の期待に合わせて振舞おうとしてしまう
NOと言えない
他人の顔色を伺って心から何かを楽しむことが出来ない
愛情と依存を混同して相手にしがみついてしまう
あなたがもし、このような生きづらさを抱えているならば、アダルトチルドレンである可能性があります。
アダルトチルドレン(AC)は、子供時代に家庭や親との関係で何らかのトラウマを負った状態で成長し、成人した現在も生きづらさを感じている人の事を指します。
毒親や機能不全家族の中で育った場合、アダルトチルドレンになっている可能性があります。
今回はアダルトチルドレンとは何か、治す方法はあるのかについてご紹介します。
アダルトチルドレンとは?
親がアルコール依存症の家庭で育って成人した人。Adult Children of Alcoholics(ACOA、ACA)の略語で、こちらが元々の意味である。アメリカでアルコール依存症治療との関わりの中で生まれた言葉である。
アダルトチルドレンはもともと、アルコール依存症の親の元で育った人に対してつかわれていた言葉でした。
親による虐待や家族の不仲、感情抑圧などの見られる機能不全家族で育ち、生きづらさを抱えた人。Adult Children of Dysfunctional family(ACOD)。「機能不全家庭で育ったことにより、成人してもなおトラウマ(外傷体験)を持つ」という考え方、現象、または人のこと。
しかし、現在の日本ではこちらの意味でつかわれるケースの方が多いようです。
アルコール依存症の親だけでなく、もっと広い意味合いでの毒親・機能不全家族の元で育ち心にトラウマを抱えて、大人になってからも生きづらさを感じている人を総じてアダルトチルドレンと呼んでいます。
機能不全家族とは
機能不全家族とは、本来のあるべき家族としての機能(子育て、家族団欒、地域交流など)を果たさず、健全に機能していない家族の事を指します。
親のアルコール依存症だけでなく、ギャンブル、薬物などの依存症であったり、虐待、家庭内暴力、ネグレクト(育児放棄)、浮気、離婚、再婚、乱れた交友関係、借金、自殺など様々な問題がある家族を機能不全家族と呼ばれます。
また、こういった要因が無かったとしても、いわゆる毒親と呼ばれる親の過干渉、兄弟姉妹間での処遇格差、条件付きの愛情提示。
他にも障害や難病のある家族を中心とした生活なども機能不全家族に陥りやすいと言われています。
機能不全家族で一番の被害者になりやすいのが、その家族から自力で脱する事の出来ない幼い子供や老人です。
本来であれば幼少期に十分に向けられるべき愛情を向けられず、他者の都合に振り回されて育った子供は、自尊心や自己評価が低くなったり、他者を信頼しきれないなどの問題を抱える事があります。
アダルトチルドレンの特徴
アダルトチルドレンの特徴として上げられる項目をご紹介します。
・自分の判断に自信がもてない。
・常に他人の賛同と称賛を必要とする。
・自分は他人と違っていると思い込みやすい。
・傷つきやすく、ひきこもりがち。
・孤独感。自己疎外感。
・感情の波が激しい。
・物事を最後までやり遂げることが困難。
・習慣的に嘘をついてしまう。
・罪悪感を持ちやすく、自罰的、自虐的。
・過剰に自責的な一方で無責任。
・自己感情の認識、表現、統制が下手。
・自分にはどうにもできないことに過剰反応する。・世話やきに熱中しやすい。
・必要以上に自己犠牲的。
・物事にのめり込みやすく、方向転換が困難。衝動的、行動的。そのためのトラブルが多い。
・他人に依存的。または逆に極めて支配的。
・リラックスして楽しむことができない。
アダルトチルドレンと聞くと子供っぽい大人と勘違いされることもありますが、 成長過程において本来得られる筈だった愛情や経験が不足した事により、認知や思考に歪みが生じてしまった状態です。
アダルトチルドレンは病名ではありません。しかし、アダルトチルドレンの二次症状として
・アルコールなどの依存症
・うつ病
・不安障害
・引きこもり
・PTSD
・摂食障害
などの精神疾患を引き起こす場合があります。
このような二次症状が起こった場合は専門の医療機関を受診し治療する必要があります。
アダルトチルドレンを克服するには?
アダルトチルドレン自体は病気ではないため治療すると言う概念はありません。
そのため、二次的症状である精神疾患に関しては治療を施しますが、アダルトチルドレンだからと言ってすぐに何かを治さなくてはならないと言うわけでは無いのです。
しかし、アダルトチルドレンの状態からの回復・克服する方法は存在します。
アダルトチルドレン特有の認知の歪みや、自己評価・自尊心の低さを解消するだけでも現状の生きづらさを大きく改善する事は可能です。
自分がアダルトチルドレンだと認識する
まずは自分がアダルトチルドレンだと認識する必要があります。
自分の育って来た環境が健康なものでは無いと知らないまま、自分が傷つき、トラウマを抱えていると言う事すら認識せずに大人になっている場合もあります。
自分の幼少期の経験や環境が今の自分に大きく影響している事を知り、自分がそれに傷ついていた事を認識する事が大切です。
感情と向き合う
アダルトチルドレンの多くは、自分の感情を押し殺していたり、感情を表に出す事が苦手です。
まずは、今自分がどう感じているのか、自分の感情としっかり向き合う事が大切です。
悲しいのか、怒っているのか、喜んでいるのか、感動しているのか。
一つ一つの感情と向き合い「私は今こう思っている」としっかり感情に名前を付けて実感する事が大切です。
認知の歪みを正す
アダルトチルドレンの多くは自尊心や自己評価が低く、自分に自信がありません。
自分が愛されるためには条件が必要だと感じて居たり、そもそも自分に愛される価値が無いと思い込んでいる事もあります。
たまに尊大な態度で周囲を威圧するタイプのアダルトチルドレンのケースもありますが、その根底にあるのも自分に対する自信の無さであり、周囲からの称賛や評価を得る事が存在意義となっている状態です。
まずは自分の認知が歪んでいる事を認識し、その歪みを正す必要があります。
・カウンセリングを受ける
・自助グループに参加する
・クリニックやセラピスト主催のイベントやワークショップに参加する
・精神疾患の治療の一環として専門的な治療を受ける
など、様々な方法で他者と触れあう事で認知の歪みを正していく方法があります。
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親との関わり方を変える
アダルトチルドレンになる大きな要因は幼少期の親とのかかわり方にある事が殆どです。
アダルトチルドレンの親と関係の改善方法は様々ですが、一番大切なのは「親と距離を置いて客観視する」と言う事です。
・親と同居しているならば離れて暮らす。
・電話やメールも含めて、完全に連絡を断つ。
など、今現在も親との距離が近い場合、自分の思考が親に影響されない所まで離れてみる事が大切です。
大人になるまで続けてきた親子関係を完全に覆すのはほぼ不可能です。
しかし、親との距離を置き自分の育ってきた環境や状況を客観視する事で、新たに自分の価値観を創造し直す事が出来れば、アダルトチルドレンを克服する足掛かりに出来るでしょう。
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アダルトチルドレンだからと言って悲観しないで
ここまでアダルトチルドレンについて紹介してきました。
自分がアダルトチルドレンだったと気づいた方もいるかもしれません。
しかし、自分がアダルトチルドレンだったからと言って悲観する必要はありません。
アダルトチルドレンは自己評価や自尊心が低いと言う特徴はありますが、その反面周囲の変化に敏感だったり、他者を大切に出来る繊細で優しい人が多いのです。
そんな人は何の条件が無くても人に好かれるものです。
自分を犠牲にしすぎる必要も、自分を卑下する必要もありません。
まずはあなたが自分自身の価値に気づいて、自分の気持ちを大切にする事から始めてみてください。
どんなあなたであっても、あなたを大切に思ってくれる人は周囲に必ずいます。
恐がる必要はありません。
あなたが、あなたらしく居られますよう心より願っております。
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